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Cambridge Conference 2010~著者が語る!真のプロジェクトファシリテーションとは~(2010/3/2)@日経・大手町セミナールーム(3/3)

ケンブリッジの白川さんのセッション古河電工の関さんのセッションに続き、最後はQ&Aセッションでした。

■Q&Aセッション
このカンファレンスの申し込み時に、申込フォームに質問を記載する箇所がありました。その内容に基づき、白川さんと関さんがご自身の解答をフリップチャートに手書きで言葉にしていきます。事前準備する時間はもちろんおありだったとは思いますが、質問が表示されてからスラスラと書き始める様式は、軽快そのものでした。

○質問1:プロジェクトに若手をどうアサインするか?
【関さん】プロジェクトは人材育成の場。プロジェクトメンバーにはいろいろな役割がある。さまざまな経験を積ませたい人、好奇心が旺盛な人、そしてHave Fun!な人。
【白川さん】結局のところ誰でもよい。物おじしない、フットワークの良さがあればリーダシップはついてくるものである。

どんなメンバーでも、プロジェクトを前向きにとらえて楽しめる人こそが大事、ということなんでしょうね。若手だからこそやわらかい発想で、という回答が来るかなと思っていたのですが、この点は意外でした。

○質問2:上下関係がある中で、どうファシリテーションを機能させるか?
【関さん】これぞファシリテーションの真骨頂。綿密な準備をして臨み、その時間で何をするのかを明確にして、結果を出していく。そして言い尽くすこと、聞き尽くすことが大切。納得感の醸成。
【白川さん】アイデア出し・討議は上下関係なくとにかく論を尽くすこと。その上でマネージャーの責任で決定する。

これはよくあることですね。若手がファシリテーションしていても、力関係でねじ伏せられてしまうというシーンもよく見てきましたし。そういう方に限って、自分の会議のスタイルを確固としたものをもっている。それが吉と出る場合もあれば、時代に合わない場合もある。後者になった場合は進行が本当に難しいものです。しかし、そのためにもしっかりとした事前準備こそが大切なのだということを改めて確認しました。

○質問3:会議の参加者が、自部門の利益代表になるのをどう防ぐのか?
【関さん】参加者は自部門の代表として臨んでいるのであり、利益は追及すべき。但し、聞く耳を持ち、合意のプロセスにあることを理解する。
【白川さん】自部門の利益のみを表現してもらっても困る。徹底的にプロジェクト・ファーストを貫き、自部門利益だけを言いにくくする環境をつくること。ファシリテーションは中立的であるべきというのが一般的に言われることだが、中立よりもプロジェクト・ファーストを優先させること。合議して合意した案に対し、プロジェクトの目的に適うものでなければ、ファシリテーターから問題提起することもある。

この白川さんの答は納得感の高いものでした。少し違うかもしれませんが、自分も色々と会議中には意見を言いたいタイプ。しかし中立的にファシリテーションしていて、この点がとてもフラストレーションになることがよくあるからです。プロジェクトファーストであること、これを心掛けたいですね。

○質問4:現場の自主性はどのように引き出すと良いか?
【関さん】論理→感情への納得に持っていく。問題があれば現場に足を運んで、説得にあたる。
【白川さん】「物語の共有」が重要。役立つ・楽しい・無駄じゃなさそうという物語を共有し、ダラッとした会議にしないこと。「良かったね、今日の会議」と思ってもらうこと。

この質問、実は僕が事前に登録したものです。実際にその業務にあたっている現場の部門から、我々IT部門に対して「はい、あとはお願いね」と丸投げされることが少なくないからです。この点についてはその前段を白川さんがしっかりと認識して頂いており、下記の補足をしていただきました。

【白川さん:続き】ニーズが本当に伝えられているのか、という危機感を持ってもらうことが大切。ニーズを反映したプロトタイプを作って現場に体験してもらい、危機感をあおりながら自主性を持てるように働きかけること。

現場を交えてプロジェクトを円滑に推進するためには、やはり巻き込み方の妙なのだろうと。 主体性もその中で自然と感じてもらうように仕掛けていく。日常のコミュニケーションも大事なポイントですね。質問を採用していただきありがとうございました。

○デジタルツール・アナログツールの使い分けはどのようにしたら良いか?
【関さん】どちらも一緒に同時進行で使うのが(贅沢かもしれないが)望ましい。その時々の状況に合わせて、有効な方を前面に投影して共有すると良い。アナログは後には残らないが、感覚に訴えることができる。デジタルは使い勝手が良い。
【白川さん】アナログにはざっくりと表現してもそれっぽく見えるという良さがある。デジ・アナ比率はもう少しアナログ方向へシフトするくらいがちょうどよい。一方、デジタルの良さは保存性・共有性にある。

これは当日会場で投げかけられた質問。フリップチャートも基本は一発でペンで書きこんでいく、後戻りのできない世界。躊躇なく書き込みができるようにするためには、フレームワークのストックやアウトラインが頭にしっかりと入っていなくてはいけない。これもやはり場数の世界ですね。

○結局お客様に恵まれたということ?
【関さん】白川さんに対しては相手を思う気持ち、ポリシーだけではなくしっかりと実践していることを感じた。
【白川さん】正直相手は選んでいる。ただし、期待値は管理できるし、プロジェクトを通して成長してもらえる。その意味でも、プロジェクトは開始前が重要。

コンサルタント側がクライアントの現場に対して理解があること、そして現場の改善の意欲とイメージが明確であること、これがポイントなんだと思うわけです。このどちらかがかけていてもダメであって、今回は特にうまいバランスでマッチしたのでしょうね。こういう仕事が何度もこなしていけると本当に素晴らしい。

■所感
プロジェクトファシリテーションという言葉があること自体、しっかりとは知りませんでした。そもそもプロジェクトマネジメントとプロジェクトリーダーシップが別のものだったということ自体が新鮮な収穫でした。

この内容は所属部門に対してもしっかりとフィードバックしていきたいと思います。本当に腹落ちの良い、濃い時間を過ごしました。

関さんはこうコメントしていました。「本が書けるような関係で仕事をしていますか?」と。そういう視点で振り返ってみたとき、そうなりそうな案件が今まさに始まろうとしているなということに気づきました。壮大なテーマに挑むことになりますが、日々の記録をしっかりとつけつつ、相手側にも持ちかけてみようと思います。

まずは改めてこの書籍を読み込んでみたいと思います。
関さん、白川さん、本当にありがとうございました。

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コメント

こんにちは。講演した白川です。
この記事については、関さんに教えてもらいました。

詳細にレポートしてくださって、ありがとうございます。
しばらくすると自分でも何を話したか忘れることが多いので、
議事録として使わせていただきます!

このセミナーは、夜開催・フリーディスカッション形式など、
私たちにとっても初めての事が多く、ふたを開けてみるまでは
どうなることか、と思っていました。
結果として、非常に熱心に聞いてくださる方が多く、私も関さんも
楽しみながら議論出来たので、やって良かったと思っています。

少しでも「おみやげ」を持ち帰ってくださったのであれば、是非
ご自分が関わるプロジェクトでも試してみてください。
では。

投稿: 白川 | 2010年3月15日 (月) 21時11分

>白川さん&関さん
御来訪&コメントいただきありがとうございます。
本当にたくさんのインプットを頂きました。
当日は前のめりで拝聴致しました。

一つのセッションも丁度良い時間配分でしたし、お菓子もあってくつろげましたし、とてもリラックスしてお二人のお話に集中できました。

本当にありがとうございました!
後程メールさせていただきますね。

投稿: Viento Sur | 2010年3月16日 (火) 07時56分

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