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実録3.11③翻弄された帰途~帰宅

■翌日7:00から運行再開の情報
地震が起きてから「当日中の運行再開は無し」と発表があった首都圏のJR各路線。明け方になって、「7:00から運行再開の予定」というニュースがTVやWebで流れました。

7:00からの再開に先立ち、次第に出発する人たちが増えてきました。私は焦りは禁物との思いのもとで、しばらく静観を続けていました。明け方からまた視聴を開始したUSTREAMでのNHKを視聴しながら、様子見です。

夜から幾度となく中継放送が成されていたJR新宿駅の映像も、再開に向けて人が集まってきたことを伝え始めました。しかし、7:00まではあれだけ中継されていた新宿駅が、逆に7:00を過ぎた後はなかなか放送されません。

でも動き始めるだろうという判断、そして帰り道に余震があって再度帰れなくなってしまうことのリスクを考え、フロアの殿軍として出発することを決めたのでした。

■事前通り再開しなかったJRの運行
こんな朝早くに会社から駅まで歩くのは初めて経験です。駅までの道すがら、商店街や民家を見渡しましたが、あれだけの揺れだったのにもかかわらずほぼ無傷で、日本の建築技術は素晴らしいと思いました。

しかし、直面したのはJR線が動いていなかったという事態でした。しかも電光表示板を見ると、7:00の運行開始予定から全く動くことができていなかったという状況であることもわかりました。

悩んでいても仕方がないため、ひとまずは品川駅を目指すことに。品川駅に到着後も状況は全く変化がなかったどころか、コンコースは人であふれかえっており、運行再開を待つ人の行列ができていたのです。

■徒歩で東京方面を目指す
仮にこの後運行が開始されても、これだけの人たちが待っている状況では身の安全すら怪しいと思った私は、東京方面を目指して歩くことにしました。山手線沿いを歩いていて、運行が再開されたら途中で駅に入ればよいという思惑でした。

こうなったら徒歩の区間を楽しもうという前向きな思いに切り替わりました。私は徒歩のスピードがかなり速いので、スイスイ、グングンと闊歩していきました。同じように徒歩で同じ方角に向かっている方も多くいらっしゃいましたが、運行していた地下鉄の駅に吸い込まれていき、歩みは更に快適になっていったのです。

歩きながらちらちらと右側の線路を確認しましたが、一向に山手線・京浜東北線共に運行が再開している気配がありません。そうこうしているうちに、銀座までやってきました。

大好きな銀座の真ん中を、こうして朝早く歩いているのはまた不思議な体験でした。震災の爪痕もあまり大きくはないようでした。ラーメンでも食べて帰りたいと思いました。美味しい醤油ラーメンが食べたいな、と。塩味に飢えていたんですね。

しかし、直感的に私は地下鉄の入り口を目指しました。お腹はすいていましたが、何かがかき立てるものがあった。すると果たして、運行再開したばかりの千代田線に乗車することができたのです。

■帰宅、そして家族との合流
その後は乗車した編成からIRとの直通運転が再開されるという幸運が続き、通常の倍以上の時間をかけて自宅の最寄り駅に到着しました。しかし、都心より震度が高かったのは明らかで、駅の施設がところどころタイルがかけたりはげ落ちたりという状況でした。

その後バスに乗って、出発から4時間で自宅に到着。本当に長い長い道のりでした。そして長い長い一日でした。ようやく家族4人で合流できたのです。この時の気持ちは、本当に表現しようのないものでした。

・・・

■震災に遭うのだという事実を知る
今まで、震災には遭わないだろうという頭でいました。阪神大震災も、その後に起きた各地での地震、そしてスマトラ地震の大津波。これらは自分の生活には無縁のものだ、仮に体験しても、生活に大きく影響を及ぼすことはないだろう、という妙な甘えがありました。

しかし、そんな甘えは完全に吹き飛びました。自分のみの周りにこういったことが怒る可能性があるのだ、ということを身体中の感覚器官で体感しました。

これから日本は復旧に向けて動き出すでしょう。しかし、原子力発電所の事故や、放射性物質の汚染、そして電力不足問題・・・もとのような生活には絶対に戻れず、新しい生活スタイルに変化していく事になるのだと思います。

これを私は今後の人生でしっかりと見いだして行かなくてはいけません。3.11が人生においてどのような意味を持つようになるのか、それを見いだす長い長い試練のスタートです。

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