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人間関係の亀裂を生じさせかねない放射性物質への意識の温度差

東日本大震災の発生から2ヶ月半が経過しました。これだけの時間か経っているのに、私の気持ちに重くのしかかってくるのは、他でもない放射性物質の問題です。

この放射性物質は人の目に見えない脅威であるため、意識の温度差が本当にすさまじく、時には人間関係に亀裂を生じさせかねない状況に至っているという実感があります。

■夫婦での会話
そもそも震災発生当初は、私自身放射性物質に関して強い注意を払っていませんでした。福島第一原子力発電所との距離もありますから、放射性物質が降下する影響をとても小さく見ていたのです。

特に、発展途上国育ちの身にしてみれば、世の中もっと気になる汚染物質ばかりですし、黄砂の有害性についてのニュースも耳にして久しいし。放射性物質だけを気にしていても仕方がないという思いを持っていました。

しかし、妻は違いました。はじめの水素爆発が遭った時期から、相当な注意を放射性物質に対して向けていました。当初は私は妻の対応を、やりすぎだとさえ思っていました。茨城産や福島産、そして千葉の野菜は柏市の食生活には欠かせないものです。太平洋の近海の魚も大好きですし、妻がこれらの食材を敬遠することに関しては、正直反発を持っていたのです。

しかし、実際の降下量や線量計測値を見るに付け、これはただならぬ事態が身の回りの環境汚染になって現れている、そう感じるに至っています。そして低レベル汚染水(といわれる放射性汚染水)の太平洋への放流を行ったことも、決定的な意識変化のタイミングとなりました。

それに何より、子供たちを被曝から守りたいという妻の強い気持ちを感じたのが大きなポイントとなりました。

■妻と友人との論戦
そんな折、同じ地域に住む友人がSNSに発したつぶやきに妻がコメントを返したところ、思わぬ論戦になってしまうという事態が起きました。「東京に住む人間が放射性物質について騒ぐな」というニュアンスの表現でしたが、これに妻が妻の感じるままの表現で返したことが発端となって、その後立て続けに反論を受けたという流れでした。

帰宅すると妻に元気がないので、聞いたところ上記のやりとりに悩んでしまったというのです。その友人とは家族ぐるみでおつきあいするとても仲の良い家庭ですので、本人も相当落ち込んでいました。

このやりとり事態はほとぼりが冷めるのを待つしかないでしょう。しかし、同じ学校に子供を通わせる親同士がこのような温度差を抱えるということは、子供たちがその影響を受けるということに他なりません。我が家では3月以降今に至るまでマスクをして通わせています。周りはほとんどマスクをしている子はいないので、子供たちも相当なストレスを感じながら通っているのではないかと思います。

ここまでのことを必要ではないという見解を持つ親もいるでしょう。そのため、学校で子供同士何かあった可能性もありますが、これについては特に息子から言われていませんので、現時点ではまだ特に気にしていません。

■放射性物質に敏感な親は、バカな親?
私にもこんな事がありました。

職場のとある方の親戚が通う群馬県の自治体では、学校からマスクと防止の着用義務が通達されているそうです。こんな話を聞いた別の方が「まったくバカな親がいるから学校も・・・」と話し始めたのです。

ここで私が言葉を遮ってしまったので、その方がどんな思いで発したコメントかは定かではありません。しかし「放射性物質に関して、口うるさく言う親がいる」というニュアンスは確かなものでした。

■正しい情報があまりにも少なすぎる
両方の案件とも、その発言をした方を責めるつもりはありません。なぜなら、それを判断するに足るだけの正しい情報が、ほとんど存在しないからです。国や自治体も、これまで注意してこなかった放射性物質という脅威に対して、基準が全く定まらないということでしょう。

一方で、専門家と呼ばれる方々の見解もまちまちであり、且つわかりにくいものです。今こそ日本の学術の叡智を結集すべきなのに、2ヶ月以上経ってもはっきりしないのはなぜでしょうか?ちまたにあふれる放射線量計測器の正しい使い方や線量を計測する基準もまちまち。これではどうしようもありません。

そんな状況において、人間関係に亀裂を生じさせかねないこの問題。冒頭にも書きましたが目に見えない物質であるだけに、更にそういった性格を帯びています。

とにかく、歪曲されていない事実が包み隠さず公開され、しっかりした基準に基づいて正しく怖がる。そのような状況になることを切に望みます。

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